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ビジネスの新しい資金調達として世界中で
行われているクラウドファンディング。
芸能人や著名人も自分のアイデアを実現
するために利用するケースが増えました。
知名度の高い人がクラウドファンディング
を行えば必ず成功する気がしませんか?
しかし実際は有名人でも失敗することも
少なくありません。
そこで本記事では、有名人の失敗例を紹介
すると共に、「成功のコツ」について解説
していきます。
目次
早速有名人がクラウドファンディングで
失敗した事例を紹介していきます。
今回は以下の6件を紹介します。
■フォトマガジン出版プロジェクト
■クラウド遺言サービスプロジェクト
■マタニティフォトプロジェクト
■アパレルブランド設立プロジェクト
■「財団法人こども基金」プロジェクト
■YouTube進出プロジェクト
参考URL:https://camp-fire.jp/projects/view/40020
真木よう子さんは、2017年8月に
「コミックマーケット93」での
フォトマガジン販売のため、
クラウドファンディングを行いました。
しかし「コミックマーケット」は
参加者が自費で出版する場です。
そこにクラウドファンディングで集めた
お金を利用して作成した本を売るのは
不適切だという意見が続出しました。
その結果このプロジェクトは炎上し、
クラウドファンディングは中止。
実際に支援金は集まっていたのですが、
場所や内容が不適切だったために
プロジェクトそのものがうまく
いかなかった失敗事例です。
真木よう子さんがコミックマーケットというイベントをよく理解していなかったことも、失敗の原因と考えられています。
参考URL:https://camp-fire.jp/projects/view/36449
お笑い芸人田村淳さんは2017年7月に、遺言サービスのプラットフォーム「itakoto」を作成するために、クラウドファンディングを立ち上げました。
田村淳さんといえばお笑い芸人としてブレイク後、テレビのレギュラー番組を何本も抱えている人気タレントです。
知名度も高く、クラウドファンディングの内容も決して悪くはありません。
誰もが目標金額に即達成するだろうとおもっていました。
しかし、目標金額10,000,000円に対し、集まったお金は4,337,000円と目標の50%にも届かなかったのです。
なぜ失敗してしまったのか、いろいろな方が推測していますが
「田村淳さんのファンがお金を出したいと思う企画ではなかった」というのも原因の一つでしょう。
20代~30代の方にとってまだ遺言は現実味が薄いものです。
しかし、400万円ものお金が集まったのも事実ですから、完全に失敗とはいえません。
加藤紗里さんは、モデルやレースクイーンを経てバラエティなどに出演するようになったタレントです。
しかし、世間に認知されるようなったきっかけは、「結婚相手に1億円を使わせたあげくにスピード離婚」というゴシップでした。
加藤さんは2020年2月に、自身とデートをしたりディナーを食べたりすることをリターンにして「マタニティフォト写真集」を作成するクラウドファンティングを始めます。
目標金額は1,000万円でした。
この話題は週刊誌などに取り上げられ、批判が多数寄せられる「炎上」状態になりました。
お金は700万円近く集まったそうなので、一概に失敗とは言えないかもしれません。
しかし、元々ゴシップで下がっていた加藤さんのイメージは、このクラウドファンディングでさらに下がってしまったようです。
ここから再びイメージアップするのは難しいかもしれません。
参考URL:https://camp-fire.jp/projects/view/16389
げんじさんは、2016年後半頃から10代の若者を中心に人気が急上昇したファッション系YouTuberです。彼は、自身のブランドを立ち上げたいと2017年1月にクラウドファンディングを開始しました。
目標金額は100万円とやや少なめだったこともあり、すぐに目標金額は達成します。
しかし、げんじさんは「ブランド起ち上げには本当は300万円が必要」と支援募集を続行しました。
そのうちに、彼がアップしたファッションイラストのラフ画にトレース疑惑が湧き上がるなど、批判が増えてきたのです。
結局、げんじさんは複数回にわたり謝罪動画をアップすることになり、イメージが大きく傷つく結果で終わってしまいました。
げんじさんがプロジェクト自体をやや甘く見ており、計画がずさんだったことが失敗の原因といえます。
参考URL:https://camp-fire.jp/projects/view/49414
歌手の「泰葉」さんは、初代林家三平さんの次女で春風亭小朝さんの元配偶者です。
たびたびエキセントリックな発言が目立っていた方ですが、2017年「あしなが育英基金」のような恵まれない子供達の進学を手助けするための基金を立ち上げるために、クラウドファンディングを開始しました。
目標金額は300万円で、彼女の知名度からすればすぐに達成できそうな金額です。
しかし、泰葉さんはリターンの「CD」についての質問に「テロ行為」と反論するなど、起案者としてあるまじき態度を取り続けました。
その結果、集まった金額はわずか16万円と少額であり、泰葉さんはプロジェクトの断念を発表します。
泰葉さんの起案者としての態度が出資者の不安をあおり、失敗したといえるでしょう、
参考URL:https://camp-fire.jp/projects/view/208304?list=search_result_projects_popular
グルメ系インフルエンサーのりょうくんとは、SNSやブログで食べ物や飲み物の写真を美味しそうに撮影してアップすることや、レポートが上手ということで有名になった人物です。
タピオカブームの火付け役とも言われていました。
Instagramのフォロワー数は42万人でしたから、タレント並です。
そんな彼は、YouTuberになりたい、テレビに出たいとクラウドファンディングを開始します。
目標金額は50万円ですぐに達成しそうだと思われていました。
しかし、集まった金額は目標金額の数パーセントに過ぎず、「クラウドファンディング代失敗例」として話題になってしまいます。
彼のフォロワーはりょうくん自身ではなく、彼が撮影した美味しそうな写真や記事だけが目当てであり、それが見抜けなかったことが失敗の原因といわれています。
リターンにりょうくんからのお手紙、デートする権利などがあったことも失敗した一因でしょう。
【関連記事】
クラウドファンディングの失敗事例6選|炎上事例から有名人の失敗事例まで紹介
では、有名人がクラウドファンディングで失敗した共通点はなんでしょうか?
以下に失敗の原因と共に解説します。
有名人は、知名度が高くTwitterをはじめとするSNSに投稿すればすぐに万単位の「いいね」やリツイートが行われます。
ですから、「自分は多くの人達から慕われている」と思いがちです。
そして「自分が呼びかければすぐにお金が集まる」とも考えてしまいます。
しかし、有名人の知名度の高さは必ずしも信頼度の高さとイコールではありません。
クラウドファンディングは少額といえど、投資の一つ「ビジネス」です。
知名度があっても信頼度が低ければ、出資者は現われません。
有名人は、知名度と信頼度を甘く見積もってしまうことが、クラウドファンディングに失敗してしまう共通の要素になっています。
クラウドファンディングは知名度だけではなく信頼度をアップしなければ成功しません。「この人ならば、この企画ならお金を出してもいい」というプレゼンをする必要があります。
有名人は、クラウドファンディングをプロジェクトの内容ではなく自身の知名度で成功させようとする傾向があります。
たとえば、真木よう子さんのフォトマガジンは「コミックマーケット93で販売する」としなければ、余裕で目標金額が集まった可能性もあります。
プロジェクトに不特定多数から資金を集めるためには、十分に成功する可能性があり、世間に広く受け入れられるものでなければなりません。
また、げんじさんの事例のように魅力的で成功する可能性が高いプロジェクトであっても、
自身の行動で信頼を失ってしまうこともあるでしょう。
もっとプロジェクトを発表する前に複数の方に相談し、ビジネスとして成功する可能性を少しでも高めておけば、失敗しなかった可能性があります。
なまじ、知名度があったばかりに「多少プロジェクトの企画に穴があっても大丈夫」と油断してしまったことが、失敗の大きな原因です。
また、自身の行いも注意が必要でした。
ビジネスには信頼が第一です。ゴシップはできる限り避けなければなりません。
そこを軽視したのも失敗の一因です。
ここでは、有名人が企画立案して成功を収めたクラウドファンディングの一例を紹介します。
失敗した事例と何が違うのでしょうか?
参考URL:https://camp-fire.jp/projects/view/10837
キングコング西野さんは元お笑い芸人であり、最近は若者を中心に強い影響力のあるインフルエンサー兼実業家として活躍している人物です。
キングコング西野さんは、自身のアイデアやストーリーを「えんとつ町のペプル」という絵本にして発表しました。
そのイラストの個展を今までにない展示方法で行い、しかも入場無料にしたいと考え、クラウドファンディングを実施しました。
どのようなイラストをどんな風に展示するのか、プロジェクトを分かりやすくプレゼンしたことと効果的な宣伝方法が功を奏し、目標金額の2576%という大成功を収めたのです。
https://www.makuake.com/member/index/260919/
コミカルな役からシリアスな役まで幅広く演じ続ける人気俳優の山田孝之さんは、2017年に元舞踊家で腕時計ブランド「ブリラミコ」創業者である、山口友敬さんと新ブランド「フォリエッジ(Foriedge)」を立ち上げるべく、クラウドファンディングを開始しました。
フォリエッジ(Foriedge)の第一弾プロジェクトとして江戸ガラスの商品を製作し、出資者を募ったのです。
山田孝之さんは自身のInstagramで江戸ガラスの宣伝を積極的に行い、山口友敬さんとの仲の良さもアピールしました。
インタビューも積極的に受けて、自身の考えや会社のコンセプトも分かりやすく説明しています。
そして、リターンも高額になるとレセプションパーティーへの出席という「特別感」を覚えられるものでした。
結果的に目標額500万円を大きく上回る金額を集めることに成功し、江戸ガラスの製品は2021年現在もネット通販等で購入が可能です。
では、なぜこの2つのプロジェクトが成功したのが、その要因を解説していきます。
西野さんも山田さんもInstagramやTwitterといったSNSを使いこなしています。
定期的にプロジェクトの進捗やコンセプトを発表し、フォロワーの興味や共感を集めました。
また、2人も知名度があるので発信するほどプロジェクトの認知率も上がります。
2人ともフォローしているファンが思わず応援したくなるような宣伝だけでなく、それ以外の人でも興味が持ちやすいような宣伝も行っていました。
ペプル展の無料開催も、新ブランドの立ち上げも多くの方が短時間で共感しやすいコンセプトです。
実現すれば「こんなステキな展覧会に行ける」「オシャレなガラスのカトラリーが手に入る」と分かるので、応援もしやすかったことでしょう。
また、リターンも魅力的でした。
ペプル展の場合はオリジナルのトートバッグやポンチョ型雨合羽など、コレクター心をくすぐるようなもののほか、西野さんが励ましのメッセージをくれるというものもありました。
新ブランドの起ち上げの方は、前述したように特別感が感じられるリターンです。ファンならば「ぜひ参加したい」と思えたに違いありません。
クラウドファンディングは支援者に短時間で魅力を理解してもらい、「出資したい」という気持ちをかきたてるプロジェクトが成功しやすい傾向です。
成功した2つの事例は、その特性に見事に当てはまっています。
西野さんも山田さんも自信の知名度や人気だけでなく、クラウドファンディングの特性を理解したうえで、プロジェクトの魅力で勝負をかけていました。
それが、成功した大きな原因といえます。
今回は有名人がクラウドファンディングで失敗した実例をあげ、クラウドファンディングで成功する難しさを解説しました。記事をまとめてみましょう。
有名人だからといって必ずしもクラウドファンディングは成功しない
クラウドファンディングの内容が批判されればかえってイメージが傷つくこともある
クラウドファンディングを成功させるには、特性を理解しておくことが重要
クラウドファンディングを行いたいけれど失敗が怖いという方は、クラウドファンディングのページづくりからリターンの設定、発送まで請け負ってくれる代行サービスの利用がおすすめです。
コンサルティングも行っている業者ならば、行いたいプロジェクトがクラウドファンディングで成功できるよう適切なアドバイスも行ってくれます。